( ゚Д゚)<職業:反キリスト・2

「〈それでもぼくは、まったくけっこうな真実をやつにはきかけてやった。しっかり肝に銘じることだ! 嚥み下すのにきっと苦労することだろうよ! 何回でも噛みなおすがいい! それこそ最上の心霊修行というものだ。告解師ロレ神父の手当を受けるのに打ってつけの魂のさしこみだ… しかし彼にはまだのこっているだろうか? 自分にかゆみをあたえているのがどんな疥鮮なのか、自分でみとめるだけの正直さが? おやおや、あいつのおかげでぼくもなかなかのイメージを思いつくようになっているぞ。こういうイメージが新しいのかどうか、ぼくは知らない。しかしそんなことはどうでもいい! とにかく奥が深くて意味深長だ。われわれ一人一人とおなじように、彼らにも彼らの疥鮮やしらくもやら鼻疽やらトレポネーマ〔梅毒病原菌〕があるのだ。しかし彼らのそれは、きわめて特殊なやさしさだ。教養のスープの上澄みだ、猛烈な錠剤だ。いや、まったく! ぼくらのほうは純粋なんだからな! なんということだ。修道院長さまも、小っちゃなお庭にちゃんと梅毒をおもちなんだからな! 下疳がチンポコの端で神父さまをつかまえている? ああ! 呆れるしかありませんね、シスター! ぼくたちの純潔な目は、そういう恥ずかしい部分から逸らされる。シスター、おけつまるだしのあなたをみる? 重大な罪だ。ここに全能の神の膏薬がありますよ。小っちゃな丘に塗りつけたらどうです? しかしとりわけお目目はつぶっていることだ! 心配することはない。下のほうで豪勢に腐るでしょうよ… そうなんだ、連中はとろ火でじっくり煮こんだような壊疽を抱えこんだ人種なんだ。五百年もまえから忘れられた横根だの癩病だのを温めている。悪臭を放つ種族の最たるものだ。なんという立派な最近の巣だろう! 箒でひと掃きしたこともなければ、一筋の日がさしたこともない。そいつを隣人にうつしてやれば、それが幸福だというのか? ご立派な説明だ! このうえなく敬虔な梅毒さんよ、あんたは五大陸のなかでもいちばんみごとな瘰癧病みだの、いちばんかわいらしい水頭症患者だのにしっかり根をはっているわけだけれど、ぼくたちもしばしばキリスト教徒の結婚のことは考えましたよ。魂にもお尻にもビデの使用は禁じられている。キリスト教の伝播というやつは、すべてに根をはるのだ。脊髄にも心にも〉」
(リュシアン・ルバテ『ふたつの旗』)