( ゚Д゚)<DEAD OR ALIVE

「われわれは、生けるものか死せるものかのどちらかを選ばねばならぬ。生けるものは、どこにあろうとも、「神」の焔であり、死せるものは、やっぱり死せるものだ。わたしがこれを書いている部屋のなかには、死んでいる小卓がある──それはかすかにさえ存在していない。また、ごく他愛のない小さな鐵のストーヴがあるが、これはある未知の理由によって生きている。また、鐵製の衣裳トランクがあるが、これもまた、いっそう不可思議な理由によって生きている。さらに、数冊の本がある──が、その単なる風袋は死んでいる。完全に死んでいて、実在しない。睡っている猫もいる──こいつはたいした生きかただ。ガラスのランプがある──が、残念ながら死んでいる。
 この違いはどこから生じるのか? だれがそれを知ろう。だが、あくまでも違いは存在する。そして、わたしにはそれがわかっている。
 そして、すべての生動感の根源をわれわれは「神」と呼ぼう。すべての死の集計は人間とでも呼ぶか。
 そして、生けるものの生動感がいずこに存するかを発見しようとするならば、それは、生けるものとあるなにものかとの間にある、一つの不可思議な関係に存することがわかる。だが、そのあるものとはなんであろうか──わたしにはわからない。ことによると、生けるものと他のすべてのものとの関係であるかもしれぬ。生動感は、流動し変化してやまぬ醜もしくは美なる関係のうちにある。あのなんの変哲もない鐵ストーヴはなにものかの一部である。ところが、この細脚のテーブルはなににも属していない。切り落とされた指のごとき、単なる不連続のかたまりにすぎない。」
D.H.ロレンス「小説」)