( ゚Д゚)<スタンダール原理

「つきつめて言うと、もし当時の私に何か望むことがあったとすれば、それは多くの人間を識ることだった。おそらく月に一ぺんは、この考えを心の中で反芻していたように思う。しかし、そういう考えがイメージを結ぶためには、私の生活を満たしている多くの趣味や情熱や数知れぬ無分別が、水面を静かにしておいてくれる必要があった。そういう場合には、私はこんな風に呟くのだった──《俺は……や……の人間とはわけが違う》。念頭にあったのは知人の中の自惚れ屋たちである。私は友人を選ばないのだ。
 私は運命が私の行手に置いてくれるものを手あたり次第に拾いあげる。
 この文句こそ、十年間にわたって私の誇りを支えてくれたものだ。」
スタンダール『エゴチスムの回想』)