2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

( ゚Д゚)<原-羞恥心

「レヴィナスの分析をさらに進めてみよう。恥じることが意味するのは、つぎのことである。すなわち、引き受けることのできないもののもとに引き渡されることである。しかし、この引き受けることのできないものは、外部にあるものではなく、まさにわたしたち…

( ゚Д゚)<妻のなかの獣

「《なにを考えているの》とまた視線が飛んできそうな気がして、繁夫は思わず横目を使った。佐保子はうつむいたままだった。さっきから何度も、子供を抱き取ってやろうと言っているのに、強情によこそうとしない。要するに端境期の鬱屈だと彼はまた考えた。…

( ゚Д゚)<Regret-All

「それでは、なぜ宮本武蔵や川端康成は、ことさら「我後悔せず」と宣言したのでありましょうか。私の判断では、このお二人の場合は、それぞれ理由があります。川端先生の場合は、私が先ほど申し上げた、よく鳴る楽器の方の例に近いと推定申し上げるほかあり…

( ゚Д゚)<合図と説得

「説得しようとそれほど腐心してはならぬ。私たちの要請に服しない想念は想念でないと、私たちは考えすぎる。恐れたもうな。この変化する内面では仕事がつづけられている。論拠がむだなことはない。理性は、拒否により、沈黙により、一種の無頓着によって、…

( ゚Д゚)<神々の言葉

「彼〔ヘルダーリン〕は詩『ルソー』の中でこう言っている。(第四巻一三五頁三九行以下) ……そして合図は 古より神々の言葉なりき。 詩作とはこの合図をさらに合図によって民族に伝えることなのである。あるいはこれを民族の側から見れば、詩作とは、民族の…

( ゚Д゚)<antimessianism

「これは、はたして男女の人生成就への方向を目ざす偉大な第一歩であろうか? はたしてそうであるか否か? 結婚は男女の成就完成への大いなる助けであろうか、それとも挫折の道であろうか? これは非常に重大な問題であり、世の男女はひとり残らずこれに解答…

( ゚Д゚)<antipornography

「ところが、いよいよ踊りも終ってみると、彼女は腰を下ろすのも拒んで歩きだした、仕方なく彼も、彼女を抱いたまま、巧みに彼の歩調に乗せて一緒に来た。彼女も別に不承知そうではなかった。まるで一条の月光のように、また鋼鉄の刃のように、彼女は美しく…

( ゚Д゚)<TALK OR DIE

「フランス人の言うには「食欲は食べているうちにわいてくる」のだそうだが、この経験命題をパロディー化して「考えは話をしているうちにわいてくる」と言っても、真実であることに変わりはない。 ときおり私は仕事机にすわって書類に目を通すことがある。こ…

( ゚Д゚)<感情の時代は終わったんで今は情動の時代なんで

「しかし、すべてのアレンジメントが欲望のアレンジメントである以上、問題は、戦争と労働のアレンジメントはそもそも性質の異なる情念を動員するのではないかということである。情念とは欲望の現実化したものであるが、それはアレンジメントによって異なる…

( ゚Д゚)<スタンダール原理

「つきつめて言うと、もし当時の私に何か望むことがあったとすれば、それは多くの人間を識ることだった。おそらく月に一ぺんは、この考えを心の中で反芻していたように思う。しかし、そういう考えがイメージを結ぶためには、私の生活を満たしている多くの趣…

( ゚Д゚)<フロベールの誕生

「いずれにせよ『〔聖アントワーヌの〕誘惑』の初稿に対して彼〔マクシム・デュ・カン〕とブイエがきわめて厳しい判断を下したという証言そのものは、信じてさしつかえない。批評家は一度折紙つきになったものは褒めるにかぎるというご都合主義から、例の四…

( ゚Д゚)<UNDERCURRENT

「しかしそれだけではなく分裂病準備状態における患者の幻想には治療者の“日常性”、“卑俗性”を破り、治療者の中に眠っていた幻想、かくれていた夢、実現しなかった可能性、等々に新しい生命を与える特別の力があるように見える。これは、先人の伝統と遺産を“…

( ゚Д゚)<原罪爆破

「国家の暴力の非常に特殊な性格はここから来る。いつもすでに成立したものとして現われるこの暴力を位置づけることは難しい。暴力は生産様式から来るというだけでは不十分である。マルクスはこの点を資本主義について指摘していた。必然的に国家を経由する…

( ゚Д゚)<悲劇の素材

「「わしはときどき真剣にこう結論しようと思ったな、つまり労働の楽しさなどということを考えだしたのは、なにもしない、もちろん篤志家などといわれている、のらくら連中だとな。これは前世紀末の『ジュネーヴ思想』〔ルソー〕の一つだがね。タチヤナ・パ…

( ゚Д゚)<antispiritualism

「「ちょっと細かい話になるけどね……。意外に思うかもしれないけれど、ぼくは真理の「意味」に関しては、「ぼくらが絶対に知ることができなくてもほんとうはそうだってことがある」っていう考え方が正しいと思うんだよ。ふつうの人は誰でも実在論的真理観を…

( ゚Д゚)<さあ読むがいいスタンダールを

「欲情を夢想する人々、また、欲情を夢想する人々むきに欲情の世界を描写する人々、こういう連中は、およそ真実からかけ離れているのみならず、おそらく最大の害毒を流す人々である。なぜなら、行為があってはじめて存在するものを想念の対象として与えよう…

( ゚Д゚)<STENDHAL IS FOREVER

「多くの自由な人間に会い、それらの人間がすぐに忘れてしまうものを、正確に受けとめて忠実に伝える人は、独白ばかり言っている哲学者より、ずっと豊かな理念をもっている。私に言わせれば、ルソーにおいては、『エミール』より『告白』のほうがはるかに理…

( ゚Д゚)<COOL JAPAN

「まだ時差ぼけが直っていないのか、早く目が覚めて夜明けの町に出た。起きぬけの町を観察する。西洋人が一人で、しかもこんな早朝に表を歩いているというのは異様なはずなのに、通行人は実に慎み深く、ぼくの存在に気づいていないふりをする。飲食店の前で…

( ゚Д゚)<傲慢+柔弱=可憐

「大いなる愛の源泉。──或る女に対する或る男の唐突な情熱、深い、内面的な情熱は、どこから生じてくるのか? 肉感だけからということは何より当らない、だが男が弱さ、頼りなさ、そして同時に傲慢が一つの生きものの中に一緒になっているのを見出すと、何か…

( ゚Д゚)<若い作家志望者への手紙

「フェイバー社の申し入れを受け容れることについては、率直にいってぼくはきみの考えに賛成しかねます。理由は、最悪の方便にすぎないということに尽きます。ああいう論理、ああいう態度ではしてやられてしまいますよ。彼らの論理によれば、きみは順応しな…

( ゚Д゚)<ハイデッガー VS キリスト教神学者

「という次第で、第一者、つまり私が神学者と呼んだ人々と、彼らが代表しうる人々全員は、ハイデッガーに向かって言うであろう──「でもあなたが原-起源的な精神と呼び、キリスト教に疎遠だと主張なさっているもの、それこそキリスト教の最も本質的なものなの…

( ゚Д゚)<あわれなわたくし

「わたくしは縁あって中国文学をやることになった。ほんとうに縁あってである。ただしその縁が良縁であったか、あるいは悪縁であったかは、どうもいまだによくわからないのだが、とにかく縁があったにはちがいなかった。というのはわたくしの生い立ち当時、…

( ゚Д゚)<語り手≠作中人物≠私

「さしあたってわれわれが、語りのパースペクティヴと隠喩的に呼んでいるものは、つまるところ、ある制限的な「視点」を選択すること(あるいはしないこと)から生じる、情報の第二の制禦の仕方であるのだが、この問題は十九世紀末以来、物語の技法にまつわ…

( ゚Д゚)<ガッカリ偉人伝

「それにしても作家とはいったいなんだろう? 作家になったからといって、それがどうしたというんだろう? ごりっぱな後光だ! 彼が思い浮かべるのはがっかりするだけの伝記の数々だった。マラルメはあれほど美しい夢にとりつかれており、十六歳ごろの彼はも…

( ゚Д゚)<言語がメタメタしてくる

「具体的な例から始めよう。「雪は白い」という文を考えよう。この文が真であったり偽であったりするのは、どのような条件のもとであるか、という問いを立てる。真理に対する古典的な観点を基礎におくならば、雪が白いときにこの文は真であり、雪が白くない…

( ゚Д゚)<恐るべき赤ちゃん

「死に劣らず恐るべきもうひとつの危機的な瞬間、脅威がある。誕生がそれである。このため、わたしたちはここでも不安定な指示記号が介入してくるのを見る。死が直接に先祖を生み出すことはしないで、亡霊を生み出すように、誕生も直接に人間を生み出すこと…

( ゚Д゚)<相対性妊娠理論

「 もし、君が私に答えてくれさえすれば、私の応答よ、私の応答だけ応答〔responsa イタリア語で「花嫁」「新婦」〕よ、私の約束された女性よ、君よ、それは君なのだ。しかしそのためには、言葉で一度だけ応答するのでは十分ではない、そうではなくて、常に…

( ゚Д゚)<Grecian Joke

「ところで、クセノパネスは、ある人が湯の中で鰻が生きているのを見たと述べたとき、「それじゃ、われわれはそれを冷水で煮なければならないね」といったとのことである。」 (プルタルコス『ストア派の共通観念について』)

( ゚Д゚)<老歳痴話

「融〔トオル〕は自分が出たあとで、愛子が多分出るであろうと思ったが、しかし又出て行かないかも知れないと云う気もしていた。彼は愛子との関係について、時々苦悩の遣場にしていた友人のTさんのところへと、自然に足が向いて行った。「多分もう帰らない…