( ゚Д゚)<antispiritualism

「「ちょっと細かい話になるけどね……。意外に思うかもしれないけれど、ぼくは真理の「意味」に関しては、「ぼくらが絶対に知ることができなくてもほんとうはそうだってことがある」っていう考え方が正しいと思うんだよ。ふつうの人は誰でも実在論的真理観を持っているね。つまり、こっち側に主観的な「考え」があって向こう側に客観的な「事実」がある。その二つが一致すれば、その考えは真理だった、ていうわけだ。ぼくはね、こういう考え方自体は真理の意味そのものに含まれていることだから、否定しがたいって思っているんだ。問題はね、どういう場合にその客観的事実との一致が成立したかっていう基準の問題の方なんだよ。つまり、真理の「意味」じゃなくて、真理の「基準」の問題なんだ。その点に関して、ぼくははっきりと反実在論者だよ。基準の問題に関しては、ぼくは、ぼくたちが実際に手に入れうるだろう証拠しか認めないんだ。」」
永井均『翔太と猫のインサイトの夏休み』)