2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

( ゚Д゚)<退屈の毒

「かてて加えて始末のわるいのは、あのうんざりする退廃観客があとを絶たぬということだ。つまり、どういう格別な理由があるのか知らぬが、緊迫感のない舞台、いや娯楽的でさえない舞台がまさにお気に召すといった、救いがたい手合いのことである。たとえば…

( ゚Д゚)<矜持ていう言葉なんて知らなかったよね

「両者〔聖書とギリシア哲学〕の違いの根源について語る前に、私は、聖書とギリシア哲学の根本的な対立を、そこからの帰結を幾つか列挙する仕方で素描しておきたいと思う。私は、聖書とギリシア哲学の双方において正義が位置しているところを示してきた。我…

( ゚Д゚)<人生選択の(不)自由・5

「明白な事柄こそもっとも見極めがむずかしいもののようである。誰も、自分では物語とは何かということがわかっている、と思っている。しかし、作家志望の勉強しはじめの学生に、物語を書けと言ってみるといい。ほとんどあらゆるもの──思い出、エピソード、…

( ゚Д゚)<人生選択の(不)自由・4

「ギリシア悲劇ばかりではない、シェイクスピアの悲劇でも、イプセンの悲劇でも、何が私達を感動させているか合理的には説明は出来ないが、それが人間の運命という或る統一ある感情の経験である事は疑えないように思われる。悲劇を見る人は、どうにもならぬ…

( ゚Д゚)<人生選択の(不)自由・3

「堅固な性格を持つとは、人生の誤算と不幸について、長い確かな経験を持つことである。そのとき人はあくまでも望むか、全然望まないか、どっちかである。」 (スタンダール「断章」)

( ゚Д゚)<人生選択の(不)自由・2

「ナスターシャ・フィリポヴナは──ドストエフスキーの『白痴』のなかで──、彼女の人生を決することになる夜、彼女の家の客間に入る。彼女は、自分を辱め、そのときまで自分を愛人としてきた男、アファーナシ・イワーノヴィチ・トーツキイに、若いガーニャと…

( ゚Д゚)<人生選択の(不)自由

「不可避なことだけが──避けられぬと感じることだけが──正しい。私はまだ少しばかり恐ろしいが、私たちが正しいということは知っている。生れることは、たしかに恐ろしいことなのだ。」 (D.H.ロレンス「フリーダ・ウィークリー宛書簡」)

( ゚Д゚)<FIRST KISS → 戦争

「ここで、私は、「イデア〔内面に明滅する言語化以前の思想〕」がいきなり行動化コースに入ることもあると指摘したい。おそらく、このことは不当に軽視されている。日常生活においても社会的にも、行動の説明責任 accountability が果たせないのは、このコ…

( ゚Д゚)<本当に人生はうまくゆかない・2

「『恋しい息子たち』第一部は、モレル夫人の長男ウイリアムの死とともに終る。モレル夫人にとって、悲惨な貧窮状態から脱け出る唯一の手がかりであったウイリアムが苦学して社会に出、ロンドンで高給を得るまでの歳月は、不幸な生涯にようやく幸せの曙光の…

( ゚Д゚)<プルーストの時間

「『失われた時』の最初に位置する大きな三つの部分、《コンブレー》、《スワンの恋》、そして《ジルベルト》(《土地の名──土地》および《スワン夫人をめぐって》)は、誇張ではなく本質的に括復的であると見做すことができる。いくつかの単起的な情景、た…

( ゚Д゚)<外から来る記憶

「たぐいなき技術の主テウトよ、技術上の事柄を生み出す力をもった人と、生み出された技術がそれを使う人々にどのような害をあたえ、どのような益をもたらすかを判別する力をもった人とは、別の者なのだ。いまもあなたは、文字の生みの親として、愛情にほだ…

( ゚Д゚)<西洋隠喩布置

「しかし、ここにいう伝統は単に神学の伝統なのだろうか。ここには二重の問いがはらまれている。まず、ある遺産の出所は引き受けることなく、この遺産を運搬するのは単に神学だけだろうか。第二に、この変装を施された遺産をハイデガーが受け取ったのは単に…

( ゚Д゚)<死亡フラグ

「目の奥の最後の映像、最後の語、名、それらすべて一緒に、そして私は安全ベルトを締めないでいるだろう、さらにもう一節、オルガスムス、最期の強迫、私は君の名のなかで泳ぐだろう、振り返ることなく、だが、君はけっして君の名となることはないだろう、…

( ゚Д゚)<空前の責任ブーム

「「暫定的道徳」という表現には同意できない。もっとも要求の厳しい責任は、すくなくとも、われわれが論じてきた諸公理を盲目的に信用しないよう命ずる。……この超過分の責任にとっては、いかなる待機も可能ではないし正しくもない。暫定的諸規定との脱構築…

( ゚Д゚)<真理ヤバイ

「heimlich という語は一義的ではなく、一方では親しみのあるもの、快適なもの、他方では隠れたもの、隠されたままにされているものという、相互に対立しないままおたがいにまるで無関係であるような二つの表象圏に属しており、この点を特に銘記しておく必要…

( ゚Д゚)<antispiritualism・2

「あらゆる種類の迷信に最も激しくとらえられずにおかないのは、世俗的な幸福を最も飽くことなく追い求めるひとびとである。」 (スピノザ『神学・政治論』)

( ゚Д゚)<anti-antiageing

「きょう日は誰もが若くなりたいと思う。 余りにもそれは甚しいので 若者さえも若返りの努力で老いている。」 (D.H.ロレンス『三色菫』)

( ゚Д゚)<死体の行列

「橋詰広場に面した二階、西南地方民衆保険会社は、毎晩六時半に外交員志願者の面接をする。狭く長い、汚らしい玄関ホールのようなところに五十人ほどおしかけており、粗末な椅子の列に腰かけている。大部分は事務室の奴隷のような連中で、目当てといえば百…

( ゚Д゚)<息子は選べない

「多産性は、存在論的カテゴリーとして設定されなければならない。自己への〈私〉の回帰は、同一的な主体という一元論的概念を具体化するものであるけれども、この回帰が、父性という状況において完全に変容される。息子は、詩やオブジェのように、ただ私の…

( ゚Д゚)<meta-machismo・2

「夫のきわめて大切な義務の一つは、妻が持っているにちがいない空想と気紛れを満足させ得るよう、気前のよい独身者がするように、おのおのが財産の真の状態を妻にかくしておくことだ。」 (バルザック『結婚の生理学』)

( ゚Д゚)<貞操占い

「操正しい女は他の女より、心の中の琴線が一本多いか少ないかである。すなわち、間抜けか崇高かである。」 (バルザック『結婚の生理学』)

( ゚Д゚)<神秘主義の条件

「私がまず説明したいと思う点は次のこと、すなわち、神秘主義は宗教史の一定段階において初めて登場するということである。それは宗教意識の一定段階と結びついており、現実の宗教史のなかでもつ意味において、神秘主義は二つの時期にはありえない。 その第…

( ゚Д゚)<潔癖症万歳

「清潔。──子供の中で清潔感覚を情熱となるまで煽りたてなくてはいけない、後年この感覚は、絶えず新しく変貌しながら、殆どどんな美徳にまでも高まって行って、遂には、あらゆる才能の補償として、純粋、節度、柔和、性格などの一つの光の包衣のように現わ…

( ゚Д゚)<What am I looking at?

「私がある事物を、たとえばこの箱を見ているとしよう。そのとき私は私の感覚を見ているのではない。この箱の向きを上下左右どのように変えようと、私は常にこの同一の箱を見ているのである。そのとき私は──知覚された対象を意識内容と呼びたいのなら──引き…

( ゚Д゚)<走らないアスリート

「どうすれば、世界の一瞬間を持続可能にすることが、あるいはそれ自身で現存させることができるだろうか。ヴァージニア・ウルフは、エクリチュールばかりでなく絵画や音楽にとっても価値があるひとつの答をだしている。「それぞれの原子を飽和させること」…

( ゚Д゚)<男の初期三十年

「個人の教養の年輪。──精神的生産力の強さ弱さは、親譲りの天分よりはそれと一緒に与えられた活力の度による方がはるかに多い。三十歳の若い教養人の大多数は彼等の生涯のこの初期の日至に当って引き返し、それ以後は新しい精神的動向に不快を抱く。だから…

( ゚Д゚)<SUSTAINABLITY

「芸術家が創造するものは被知覚態〔percept〕と変様態〔affect〕のブロックなのだが、ただし、そのような合成態は自分ひとりで持ちこたえなければならないという唯一の創造条件がある。芸術家がそうした合成態を自分ひとりで立って持ちこたえるようにさせる…

( ゚Д゚)<三十路の呪い

「「じゃ、どうして粘っこい若葉を愛せるんです? どうやって兄さんは生きてゆくつもりなんです?」 「カラマーゾフ流にさ」 「つまり、すべては許される、ですか?」 「すべては許されるさ。俺は神の理念を完全に粉砕してやりたいね。そうじゃない、カラマ…

( ゚Д゚)<三十路宣言

「この年齢を要約し得る唯一の言葉、政治および愛におけるその唯一の存在理由、それは、明晰さだ。三十という歳はもし自分が何者であるかを知らず、何を欲しているかを知らなければ、存在理由はない。幻想に対する熱狂だの、自分自身を決して疑ったことのな…

( ゚Д゚)<Zwischenzeit

「社交界へ出た青年の最初の恋は、普通野心の恋である。優しいかわいい無邪気な娘に恋を打明けることはまれだ。至高の存在を前に、いかに顫え崇め感動すべきか。若者は女の美点によって彼自身が高められるのがわかるような女を愛しようとする。崇高に絶望し…