2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

( ゚Д゚)<世界を要約する名前

「しかし、先日、アルパノ湖の上のさびしい道で人生のことを夢見たとき、私は自分の一生がつぎのいくつかの名前によって要約されることに気づいた。そしてその頭文字を、ちょうどザディッグがしたように、自分のステッキで砂の上に書いてみた──小さな丸い壁…

( ゚Д゚)<亡霊コンプレックス

「かくて、秋は、雨とともにすぎぬ。冬さりぬれば、空暗くじめじめとして雨ふるも、霜おくことまれなり。島は、わが島は、うす暗くうづくまり、よそよそしくぞなる。しめりて、うす暗き窪みにひそむは、とぐろ巻く怨霊、そのさま、濡れ犬の尾をまき、あるは…

( ゚Д゚)<肉食系黙示録

「たとえば、ビフテキやトンカツや豚汁やサシミや酢のものをむさぼりくらいながら、彼らは、こんな調子で、しゃべりあっていた。 「これは、お前さんのお母さんの肉だぞ。まあ、そうだろ。これはお前さんのお父さんの肉だよなあ」「そんなら、これはあんたの…

( ゚Д゚)<忘れられない&憶い出せない

「想像するに、白痴の生について論じて、忘れえぬものとしてとどまりつづけるという要請のことを語ったとき、ベンヤミンはなにかしらこうした類のことを念頭に置いていたのではないだろうか。いうまでもなく、この要請はたんに、なにごとか──忘却されてしま…

( ゚Д゚)<反復・再帰・不安

「同種のものの反復というモメントを無気味な感情の源泉と見ることは、どなたにもご承認いただけるというものではないだろう。私の観察では、こうした感情が文句なしに喚び起こされるのはある種の諸条件の下で、しかも特定の環境との組み合わせにおいてであ…

( ゚Д゚)<Remembrance of Images Lost・3

「しかしわれわれは、実践の最大の利益を得るために、諸事象の現実的な順序を逆転させることにとても慣れており、空間から引き出されたイマージュの強迫をあまりにも強く蒙っているので、われわれは、どこに想起が保存されているのかを問わずにはいられない…

( ゚Д゚)<Remembrance of Images Lost・2

「そこで、ラッセルの想定〔この世界は、われわれの記憶や、化石や、古文書といった、過去の存在を証拠だてるすべてのものとともに、じつは五分前に突如として生じた〕にもどって考えてみると、この想定はふつう、現時点において過去の存在を証拠だてている…

( ゚Д゚)<見えるものを読む

「これらのイメージに、いわば「不注意を向ける」方法は二通りある。ひとつにはそれらを肥大化させ、そこにすべてを見ようとするもの。要するに恐怖のイコンをそこから作り上げようとするものである。このためにはオリジナルのプリントを見栄えのするものに…

( ゚Д゚)<俺たちの完全犯罪

「いや、何をしゃべろうと、しゃべるということ自体が正当化なんだ。悪事はただ黙ってせざるを得ない──これが「なぜ悪いことをしてはいけないか?」という問いに対する本当の答えだ。つまり「答えとして語るべき言葉が原理的にありえない」という答えだ。原…

( ゚Д゚)<復活なき残存

「『映画史』全体を復活に引きつけることは、時間の作業を根本的に見誤ることである。ヴァイクマンの理路がつねに依拠している通俗的な二者択一は、イメージ、記号全般、そしてそれらの記憶の存在自体によって反駁されている。死は残滓を生み出すと、私は述…

( ゚Д゚)<UNDERCURRENT・2

「種属を維持するもの。──最も強く最も悪辣な精神の者たちが、これまで最もおおきく人類を前進させてきた。彼らはくりかえし眠りこんだ諸情熱の火を──あらゆる秩序立った社会は情熱を眠りこます──燃え立たしてきた。彼らはくりかえし比較や矛盾の感覚、新し…

( ゚Д゚)<古典主義とはナニカ

「武智 濡髪のお母さんが、お前が逃げてくれないんだったら自殺するといって剃刀を持つのを止めるところで、「あぶない、あぶない、あやまりましたッ」ていうのがね、みんなムキになり過ぎるっていってましたね。大関とおばあさんだから、力入れたらおばあさ…

( ゚Д゚)<リスペクト禁じ得ない

「武智 …… これを逆にいえば、テレビの俳優と歌舞伎の俳優とが同じ舞台で芝居をした時に、テレビの俳優の方がうまいことがあるわけですよ。というのは、テレビ俳優というのは歌謡曲と同じで何百万人の中から選び出されてきて、非常に才能のある人であるわけ…

( ゚Д゚)<疑似嫉妬

「「こわい人だなあ、同じ屋根の下で」と広部は矢沢の身になってつぶやいた。ところがそれを口にしたとたんに、同じ屋根の下で男と女が別々に棲息している、階上と階下とで気配に耳を澄ましあっている、獣じみた濃密さがじかに身に迫って、息がつまりそうに…

( ゚Д゚)<メンヘラの力

「しばらく後、伯爵は実際にやってきて、まるでランデヴーに誘ったかのように、エステルのほうに静かに歩み寄った。 ──長く待ったかい。彼は、あの低く抑えた声で尋ねた。 ──六ヵ月よ、ご存知のはずよ、とエステルが答えた。でも、きょう、あたしをお見かけ…

( ゚Д゚)<始める前から負けないためには

「ダレル君、よくきき給え。まだ絶望してはいけない。勇気があるならば、やりたいことを飽くまでやり遂げなければならない──文学の話をしているんですよ。きみが持ち堪えることができるならば(できるとぼくは信じているが)書きたいことだけを書きたまえ。…

( ゚Д゚)<男ってアホだね

「「何を考えたの」 「何をって、ずいぶんあさましいこと。これぐらいのことは、聞いてあげなくては、矢沢から守ってもらえないって……」 二度目に家を走り出て逢いに行った晩、男が言った。いつだか矢沢がひどく酔って、柾子がひとりで家にこもっていると思…

( ゚Д゚)<Girls Be Terror・4

「二人は暗黒のうちに坐っていた。動かずにまた物を云わずに、黙って坐っていた。眼に色を見ないせいか、外の暴風雨は今までよりは余計耳についた。雨は風に散らされるのでそれほど恐ろしい音も伝えなかったが、風は屋根も塀も電柱も、見境なく吹き捲って悲…

( ゚Д゚)<Girls Be Terror・3

「彼は町に戻った。夜はむし暑く、闇のなかには生れたての蝉の声が満ちていた。彼はベッドと椅子と化粧箪笥をすれぞれ一個だけ使っていて、箪笥の上にはタオルをひろげてそこに自分のブラシや時計、パイプや煙草袋を置き、一冊の本にもたせかけて彼の養女リ…

( ゚Д゚)<子供人間

「池上線の電車にのってきた、濃紺の地にブルーの絣の着物をきた女のコは、ぼくとおなじ雪ヶ谷大塚の駅でおりた。 そして、改札口をとおるとき、定期をだした。ちいさな鈴がついた、赤い定期入れで、ぼくは、その日が日曜日なのをおもいだした。この女のコは…

( ゚Д゚)<フェミニスト・ヨブ

「ヨブ記に見られる他の女性への参照(例えば、一四・一、一九・一七、二五・四、三一・九-一二)は、特別に反フェミニストではない。「女から生まれたこと」の不純性は、人類という種族それ自体に関わる性格づけであって、女性の不純性を儀礼的に暗示したり…

( ゚Д゚)<BOYS BE...

「万事うまくやろうというつもりなら──君が病気で疲れていたら、彼女の金を最後の一銭まで使い果たし、彼女に家事をやらせるのだ。そうすれば彼女は君が彼女を愛していることを知るだろう。彼女が君に満足していないといって彼女を責めるわけにはゆかぬ。僕…

( ゚Д゚)<自己嫌悪の哲学

「レヴィナス 私の本が言おうとしたのは、存在は重苦しい、ということです。 ポワリエ それは無に対する不安ではないのですか。 レヴィナス それは無に対する不安ではありません。実存の《在る》に対する恐怖なのです。それは死ぬことへのおそれではなく、お…

( ゚Д゚)<自分の飢え!

「しかしわれわれはまた父なるものを否定し、「言のみが存在する」というのだ。そして飢えたるものの苦痛をわれわれが自分の肉体のうちに苦しむとき、そのときわれわれは肉体を否定し、それはそうでないと言うのである。というのは、肉体は隣人の飢餓を苦し…

( ゚Д゚)<他者の飢え

「ポワリエ 《在る》(il y a)の概念をハイデガーの「在る」(es gibt)と関連づけて理解することは可能でしょうか? レヴィナス できません。これはハイデガー的な「在る」ではありません。ハイデガー的な「在る」は肥沃性です。これは後期ハイデガーの大…

( ゚Д゚)<キミもユダヤ人でないのではない m9( ゚д゚)っ

「ユダヤ人とは外からそう見えるものではなく、割礼とは外からそう見えるものではない。真のユダヤ人は内においてユダヤ人である人であって、真の割礼は文字ではなく律法の精神による心のものである。その人の誉れは人間からではなく神から受けるのである。」…

( ゚Д゚)<メタ忘却

「芸術家は、みんなが忘れている事に気がつく人間だ、と。然しこれ以外に芸術家の仕事は断じてないという事は多くの人が忘れている。」 (小林秀雄「測鉛I」)

( ゚Д゚)<正しい食欲!

「〈いい〉とは、ある体がこの私たちの身体と直接的に構成関係の合一をみて、その力能の一部もしくは全部が私たち自身の力能を増大させるような、たとえばある食物〔糧となるもの〕と出会う場合のことである。私たちにとって〈わるい〉とは、ある体がこの私…

( ゚Д゚)<ブルジョア魂・3

「──ところで不幸な人達のあの要求を別に愚鈍や知的欠陥、不幸の伴ってくる一種の精神障害とは見ずに、或る全然別なもっと懸念すべきものと解するならば、この同情を抱くことを恐らく一層強く戒めることができよう。むしろ子供等を観察してみ給え、彼等は同…

( ゚Д゚)<超越論的偶然性

「クリナメンという語は突然に現れる。ルクレティウス〔エピクロス派の詩人〕には見出せるものの、エピクロスの断章にはないこの概念をいったいだれが導入したのかという問題は、専門家に任せておこう。だれかがそれを「導入した」のは、エピクロスの諸テー…