( ゚Д゚)<自己嫌悪の哲学

レヴィナス 私の本が言おうとしたのは、存在は重苦しい、ということです。
ポワリエ それは無に対する不安ではないのですか。
レヴィナス それは無に対する不安ではありません。実存の《在る》に対する恐怖なのです。それは死ぬことへのおそれではなく、おのれ自身の「過剰」なのです。事実、ハイデガー以来、あるいはカント以来と言ってもいいかも知れませんが、不安は、存在しないこと(ne-pas-etre)の情動性として、無を前にしたときの心細さとして分析されてきました。それとは違って、《在る》に対する恐怖は自己に対する嫌悪感、自分が自分であることへのやりきれなさ、というのに近いのです。」
エマニュエル・レヴィナス『暴力と聖性』)