( ゚Д゚)<The Themis of Short Story

「さて、こうしたことすべてには時間がかかる。優れた短篇作品の意味が長篇小説の含む意味より小さくていいわけはないし、劇的運動が不完全であっていいわけもない。作品の主要な経験に本質的に関わるものは、どれ一つでも、短篇小説だからといって省かれてはならない。劇的運動のすべてが、動機づけの面から完全に説明されていなければならず、始まりと中ほどと終りと、必ずしもこの順序でなくともいいのだが、三つがそろっていなくてはならない。多くの人は、短いからというので、短篇小説を書こうと決めるのだと私はにらんでいる。短いということは、彼らの考えでは、あらゆる意味で短いということである。短篇小説とは、不完全な劇的運動であって、その中で示されるものは非常に少なく、大部分は暗示にまかせられるということらしい。そして、あるものを暗示するためには、それを省略すればいいと考えられている模様だ。学生に、この考えのまちがいを悟らせるのは容易ではない。なぜなら、何かを抜かせば、それで自分は巧者だと思いこんでいるからである。何かを存在させようと思ったら、まず何かを投入しなければ、と言おうものなら、この感受性不足のバカがと思われてしまうのである。」
フラナリー・オコナー「物語の意味」)