( ゚Д゚)<演劇の起源

「われわれはすべて夢の世界を生みだすことにかけては完全な芸術家といえるが、この夢の世界の美しい仮象が、あらゆる造形芸術の前提であり、それどころか、のちに見るように、文学の重要な一半である演劇の前提でもある。われわれは夢にあらわれる人物とすぐ打ちとけて、その具体的な姿を楽しむ。夢のなかでは形という形がすべてわれわれに語りかけてくる。そこにはどうでもいいような、むだなものは、何ひとつないのである。夢の現実がそういうふうに生き生きとしているにもかかわらず、それでもやはりわれわれはなんとなくそれが仮象だというほのかな感じをまぬかれるわけにはいかない。少なくともこれが私の経験であり、しかもそれが一度や二度のことでなく、普通だということについては、私はいくらでも証拠を餅出せるし、詩人たちのことばをこれに添えることだってできるのだ。」
ニーチェ悲劇の誕生』)