( ゚Д゚)<写真に未来はない

「映画の世界は、現実の世界と同じく、つぎのような予測によって支えられている。すなわち、《経験の流れはたえず同じ構成様式に従って過ぎ去っていくだろう》ということ。ところが「写真」は、その《構成様式》を断ち切ってしまう(「写真」の驚きはここからくる)。「写真」には未来がないのだ(「写真」の悲壮さやメランコリーはここから来る)。「写真」には、いかなる未来志向も含まれていないが、これに対して映画は、未来志向的であり、したがっていささかもメランコリックではない(では、映画はいったい何なのか?──それは、さしずめ人生と同じように《自然なもの》であるというほかはない)。「写真」は停止しているので、その現示作用(現前化)は時間の流れを逆流して過去志向(過去把持)に変わってしまうのだ。」
ロラン・バルト『明るい部屋』)