( ゚Д゚)<退廃恋愛

「何故私はひとりの女のもとに行くか。私自身を知るためにである。しかし私自身を知ったあとに何が来るか。そのとき私はなぜ女を抱擁し、未知のものを抱きしめるのか? 自己発見という経験を反復するためである。しかし私は無限ではないから、その自己はもう発見済みときている。にも拘らず私は同じ経験を反復することができる。むろんそれは発見とは言えないものの、同じ経験を繰り返すことはできる──。つまり快楽を得ることができるということです。自己に対する既知の反応を繰り返すことは、快楽主義に他ならない。殆どすべての英国人がいま行なっていることはそれです。女性と交る男は、新しい反応、すなわち発見を求めず、単に自分自身に対する既知の反応を反復しているにすぎない。それは自己を辱しめる行為であり、自涜に似たものです。知識階級に属する一般の英国人は、自慰をするために女のもとに行くのです。というのも、発見あるいは新しい結びつき、あるいは進歩を求めず、解りきった行為を自分自身のために反復するからです。」
D.H.ロレンスラッセル宛書簡」)