( ゚Д゚)<ハレンチ長老、バビロンで御用

「その年、民の長老の二人が裁判官に選びだされた。次にいう主のみことばは、彼らのような人にあてはめてよかったろう、「バビロンでは、民の指導者と名ざされる長老と裁判官から、罪が出た」。この二人は、ヨヤキムの家をよく訪れた。何か訴えごとをもっていた人たちは、みな、彼らに尋ねにきた。
 昼ごろ、みなが去ると、スザンナは夫の庭園に散歩に出た。二人の長老は、彼女が散歩にくるのを毎日見ていて、情を燃やし始めた。二人は天をあおぐことを忘れ、正しいさばきを忘れるほど迷ってしまった。二人とも、この情に捕われていたが、たがいにその悩みは隠し持っていた。それは、彼女と情をかわしたい望みを、口にするのが恥ずかしかったからだった。
 それでも、毎日、彼女を見ようとして、工夫をこらしていた。ある日、二人は、「昼飯の時間だ、家へ帰ろう」といい合って、別れたが、二人とも立ち帰って、顔を合わせてしまった。彼らは、たがいに、その理由を尋ね合ったので、二人とも情を燃やしていることがわかり、スザンナが一人いるところを不意にねらおうといい合った。
 二人が機会をねらっていると、ある日、スザンナが、二人の若い女中だけを連れて、いつものように出てきた。むし暑い日だったので、彼女は庭で水あびしたいと思った。そこには、だれもいなかった。ただ、二人の長老が、隠れて彼女を盗み見ているばかりだった。彼女は女中に向かって、「油と、香油を持っておいで。私は水あびをするから、庭の戸を閉めておくれ」と言った。女中たちはいわれたとおりに、庭の戸を閉め、スザンナの言ったものを取ってこようとして、わき戸をくぐって家に入った。しかし、女中たちは、隠れていた長老たちに気づかなかった。
 女中たちが出ていくと、二人の長老は不意に出てきて、彼女のほうに走りよって言った、「庭の戸は閉めてあるから、だれも、私たちを見ているものはない。私たちはあなたに情を燃やしているので、願いを入れて、思いをとげさせてくれ。もし、いうことを聞いてくれなければ、若者があなたといっしょにいたから、女中を遠ざけたのだと、証言するがいいか」」
(『旧約聖書 ダニエル書』)