( ゚Д゚)<GOOD BYE MY WORLD

「私の人生もここまで来た。
 海近いこの地点まで、
 風に胸と胸とをぶつけあって
 若さが永遠に岩の上で闘うところまで。
 ここは人間の来るべきところ、
 人間でしかありえない者の──。
 おのれの若緑の時の短さを
 露の涼しさで測り、
 耳に聞く幻を
 水のしたたりで数え、
 ほぞを噛む思いを鳥の数で数える者。
 ああ 人生。
 海の傍を離れずに男になる子の人生。
 太陽が呼吸の仕方を教えた、
 鴎の影の見えなくなる、あの辺りで。


 私の人生もここまで来た。
 白い足算、黒い合計。
 わずかの木。
 わずかな濡れた小石、
 額を撫でる優しい指。
 額だって?
 私の予感は終夜すすり泣いた。
 もはや期待はない。
 誰もいない。
 自由な足取りが聞こえるとでもいうのか。
 疲れを癒した声が挙がるとでもいうのか。
 突堤に揺れる船尾の列。
 揺れつつ青い水平線にさらに青い署名をする。
 いささかの年、いささかの波、
 入湾の中を愛を巡る
 敏感なオール。」
(オジッセアス・エリティス「記念日」)