( ゚Д゚)<神さまの嫉妬

「人の子よ、同じ母の娘である二人の女がいた。彼女たちは、エジプトで淫を行い、若いときに身を売った。その地で、彼女たちの乳房に手が入れられ、乙女の胸はもてあそばれた。その名は、姉をオホラといい、妹をオホリバという。彼女たちは私のものとなり、息子と娘を生んだ。その名のオホラはサマリアのこと、オホリバはエルサレムのことである。
 さて、オホラは私のものであったのに淫を売り、愛人に恋いこがれた。愛人とは隣のアッシリア人である。彼らは緋の衣をつけた総督、長官たちで、みな若くて、魅力的で、馬に乗る者たちだった。アッシリアのよりぬきであったその人たちと、彼女は淫を行い、恋いこがれたその人たちの偶像とともに身を汚した。また、彼女はエジプトでの淫行をやめようとしなかった。エジプトの人たちは彼女の若いときに、ともに寝、その乙女の胸をもてあそび、彼女に情欲を注いだ。そこで、私は、彼女が恋いこがれた愛人のアッシリア人に彼女をゆだねた。彼らは彼女の肌をあらわにさせてから、その息子と娘を奪いとり、彼女を剣で殺した。こうして、彼女の身の上にさばきが行われたので、ほかの女たちの戒めとなった。
 妹のオホリバは、それを見たが、姉よりも情欲に燃え、その淫行は姉をこえた。彼女は、隣のアッシリア人の総督や長官に恋いこがれた。彼らはりっぱに着飾り、馬に乗る者で、みな魅力的だった。私は、彼女が身を汚すのを見た。彼女たちは、二人とも同じことをしたが、妹はその淫行を重ねた。彼女は、壁に描かれた人を見た──それは朱色で描いたカルデア人の姿だった。彼らは腰に帯を結び、頭に布をさげ、すぐれた勇士の姿をしていた。それは、バビロン人の姿で、出はカルデア国である──。彼女は、その姿を見ただけですぐ恋いこがれ、カルデアに使者を送った。こうして、バビロン人は彼女のもとにきて、恋の床につき、その情欲でもって彼女を汚した。彼女は汚されてのち彼らを遠ざかった。彼女が肌をあらわにして淫行を続けたので、私は姉から遠ざかったように、彼女からも離れた。彼女は淫行を重ね、エジプトで身を売っていた若いころのことを行い続けた。また、ろばの肉のような肉をもち、種馬のような精をもつその好色漢に、ふたたび彼女は恋こがれた。このようにして、おまえはエジプト人が胸に手を入れ、乙女の乳房をなでた若いときの、いとわしい生活に立ちもどった。」
(『旧約聖書 エゼキエル書』)