( ゚Д゚)<post coitum

「女は自分の与える恩恵によって男に執着する。女たちの日々の夢想の二十分の十九は、恋に関するものだから、肉体の関係のあとでは、夢想はただ一つの対象のまわりに集まる。なぜなら、それはこれほど異常な、これほど決定的な、これほど羞恥心の習慣に反した一つの行為の正当化に没頭するから。こういう作用は男には存在しない。やがて女の想像力は暇に任せて、あの甘美な瞬間の詳細を繰りひろげる。
 恋は最も明白なことをも疑わせる。したがって身を任せる前には、恋人が俗な人間と違うことを確信していた女も、もう何も拒むものがなくなったと思うと、男がただ恋のリストにもう一人を加えようとしたにすぎなかったのではないかと考え、慄える。
 このときはじめて第二の結晶作用が現われる。それは疑惑を伴っているため最も強い。」
スタンダール恋愛論』)