( ゚Д゚)<リセット不可

「ワーニャ (両手で顔をおおおう)恥かしい! この僕の恥かしさが、君にわかってもらえたらなあ! 恥かしい、まったく恥かしい。(やるせない声で)ああ、たまらない!(テーブルにうなだれる)一体どうしたらいいんだ。どうしたら。
アーストロフ まあ、仕方がないさ。
ワーニャ どうにかしてくれ! ああ、やりきれん。……僕はもう四十七だ。かりに、六十まで生きるとすると、まだあと十三年ある。長いなあ! その十三年を、僕はどう生きていけばいいんだ。どんなことをして、その日その日を埋めていったらいいんだ。ねえ、君……(ぐいと相手の手を握って)わかるかい、せめてこの余生を、何か今までと違ったやり口で、送れたらなあ。きれいに晴れわたった、しんとした朝、目がさめて、さあこれから新規蒔直しだ、過ぎたことは一切忘れた、煙みたいに消えてしまった、と思うことができたらなあ。(泣く)君、教えてくれ、一体どうしたら、新規蒔直しになるんだ。……どうしたらいいんだ。……
アーストロフ (腹立たしく)ちぇっ、しようのない男だなあ。今さら新規蒔直しも何もあるものか。君にしたって僕にしたって、もうこれで、おしまいだよ。」
チェーホフ「ワーニャ伯父さん」)