( ゚Д゚)<仮往生

「芸術は今日、大洪水以前のように、真の芸術になろうとしているのです。聖書に言う意味合いで、予言になろうとしている。比類ない真剣さで、私が企図していることは、私の紋章学的宇宙(heraldic universe)をただ独りで創造することなのです。その為の基礎は、いま静かに敷かれている。ゆっくりと、しかし非常に注意深く、意識的思考を交えずに、私は時間を壊しています。持続の観念は虚偽であると気付きました。肉体の崩壊と言う観念に屈して、哲学的に考案したに過ぎぬのです。ただ空間だけがある。固体は三次元しか持たぬのです。時間、彼の古びた付録、私はそいつを刈り込んだ。そこで新しい態度が必要となります。記憶を持たぬ態度が──今の今、私がしたためている紙上の言葉による空間的存在が、必要になるのです。」
(『ヘンリー・ミラーロレンス・ダレル往復書簡集』)