( ゚Д゚)<孤影自命・2

「いっぽう森番は、明るくなるにつれて、これはまずいと思いはじめた。自分の淋しさを追いはらおうとしても無駄だ。一生それはついてまわるのだ。ただ、ときに、その隙間が埋められるだけなのだ。たまにだ! そのときが来るのは、ただ待っているしかない。一生涯自分の孤独を受け入れ、頑張っているほかないのだ。そしてまた時が来て、その隙間が埋められることをも受け入れるべきだ。そういう時はおのずからやってくるもので、それを無理に作りだすことはできない。
 突然、彼を彼女の方へ引きよせていた血の出るような欲望が断ち切られた。それはそうあるべきものとして彼が断ち切ったのである。両者が来て逢うべきものであった。そして彼女が来ないときに、彼は無理に引き出すべきものではなかった。それはいけないことである。去って彼女の来るのを待たねばならない。
 彼は再び孤独を受け入れて、ゆっくりと思いに沈みながらそこを立ち去った。その方がいいことを悟ったのである。彼女の方から来るべきもので、彼が彼女をつけまわすべきではなかった。そんなことをしてもだめだ。」
D.H.ロレンスチャタレイ夫人の恋人』)