( ゚Д゚)<無意識礼讃

「私たちはおそらく共通の源泉から汲み、同じものを素材にしていながらそれぞれ別の方法を使用しているのである。そして結果において一致したことが、両者共にまっとうな仕事をした証しになったと思う。私たち医者の治療処置は他者のアブノーマルな心的過程を意識的に観察し、当の心的過程の法則を推量してことばにいい表わすことにある。作家の行き方はこれとはちがう。作家は自分自身のうちなる無意識に注意を向け、その展開の可能性にじっと耳を傾け、それを意識的批判によって抑制する代わりにそれに芸術的表現を許容してやるのだ。こうして作家は、この無意識の確認がどんな法則に従わなければならないかを、私たちなら他者を観察して習得するところを身をもって体験する。しかもこの法則は口外する必要がなく、明確に認識する必要さえなくて、知性を抑えたおかげで創作に含まれて血肉化される。……」
フロイト「『グラディーヴァ』における妄想と夢」)