( ゚Д゚)<UCHU YABAI

「しばしば、不可逆性は我々の宇宙の誕生と結びついた純粋に宇宙論的な起源をもつ、と言われてきた。時間の矢が普遍的だという事実の説明のためには、確かに宇宙論は必要である。しかし、不可逆過程は我々の宇宙の誕生とともに終った訳ではなく、今日でも地質学的、生物学的進化を含むあらゆるレベルにおいて存続している。……いまや我々の理解したところでは、このことはもはや「確実性」にではなく「可能性」に基づいた自然法則の新しい定式化を要求する。いまや中心的な役割を果たすのは確率である。未来は決定されてはいない、ということを受け入れることによって、我々は確実性の終焉を迎えたのだ。……今日、単純な動力学系をとり出して、古典力学量子力学の法則を立証することができるのは事実である。にもかかわらず、そのような法則は安定な動力学系だけに適用な単純化、理想化に対応しているのである。宇宙は今日においても平衡から遠く隔てられた巨大な力学系なのである──あらゆるレベルにおいて、揺らぎ、不安定性、進化発展されるパターンが見い出されるのだ。」
(イリア・プリコジン『確実性の終焉』)