( ゚Д゚)<Zwischenzeit・2

「「いえ、奥さん、十六歳にはなかった不信があること、これはきっと第二の恋に別の色彩を与えずにはおきますまい。最初の青春においては、恋は大河のようなもので、あらゆるものを押し流します。抗うことはできないような気がするものです。ところで優しい魂は二十八になると自分を知ります。もし彼女にとって人生になお幸福があるなら、それは恋に求めるべきだということを悟ります。この哀れな動揺する心の中には、恋と不信の恐ろしい闘いが始まります。結晶作用はゆっくり進行します。しかしたえず恐ろしい危険を見つめながら、魂がそのあらゆる動きを経験するこの苦しい試練に打勝った結晶は、若さの特権から陽気で幸福な十六歳のころの結晶より、千倍も輝かしく堅固なものです。
 だからその恋は若いときのように陽気ではありませんが、いっそう情熱的でしょう」」
スタンダール恋愛論』)