( ゚Д゚)<Re: 慾望=神

「その誰かに対して(のみ)私は「きみは人を殺しても(何をしても)よいはずだ」と呼びかけることができる。他者に向かって、自己評価がすべてであると説教することもできる。そのとき私が「きみは人を殺しても(何をしても)よいが、人に殺されてはならない」と言っていることになる。だから、私が他者に向かって、きみは人を殺してもよいのだ、と呼びかけるとき、そのきみだけが、私が殺してはならないものなのである。つまり、他者に対して、「これはきみの世界なのだよ」と呼びかけるとき、そのときはじめて、私はきみを殺してはならない立場に立つのだ。私は、そのときだけ、その人の生を手放しで肯定している。
 きみは何をしてもよい。人を殺してもよい、私を殺してもよい、そうであるからこそ、きみは殺されてはならない、だから私はきみを殺してはならない。私はそう言いたいのだ。これがつまり、〈魂〉に対する態度である。」
永井均「きみは人を殺してよい」)