( ゚Д゚)<お兄ちゃんやめて

「アムノンは床について病人のふりをした。王が見舞いにきたのでアムノンは言った、「妹のタマルをよこして、揚げ菓子を二つ作るように言ってください。私はあの子の手からそれを食べたいのです」。ダビドは家にいたタマルに人をやって「兄のアムノンの家に行き、何か食べ物を作ってやるように」と言わせた。タマルは床についていた兄アムノンの家に行き、麦粉を捏ねて彼の目の前で揚げ菓子を作った。彼女は平なべを手に取りアムノンの目の前で中をあけたけれどもアムノンはそれを食べず、「ここからみなを出してくれ」と言ったので、みなは部屋を出た。アムノンはタマルに言った、「おまえの手から食べさせてもらえるように、それを寝室に持ってきてくれ」。タマルはその揚げ菓子を持って寝室に入り、食べさせようとして近づいた。アムノンはそのとき彼女をつかまえ、「妹、きて私と寝てくれ」と言った。
 タマルは言った、「いいえ、兄さん、私に乱暴をしないでください。イスラエルではそんなことはしません。そういう馬鹿なことをしないでください。私はそんな辱めを受けて、どうしていいか分かりません。あなたはイスラエルの愚か者の一人になってしまいます。むしろ王様にこのことを話してください、そうすれば王様は私をあなたのものにしてくださいます」。
 ところがアムノンは、そのことばをきかず力ずくで彼女を犯した。
 そうしてからアムノンは彼女に対して限りのない深い憎悪を感じた。その憎悪は先に愛した恋慕の情よりも大きかった。彼は、「立って出ていけ」と言った。「いいえ、あなたが私を追い出すようなことをなされば、前にした悪事よりもっとひどいことをするのと同じです」とタマルは言ったけれども、アムノンは耳をかさず、下男を呼んで、「このうるさいやつを外に出して戸を閉めよ」と命じた。
 タマルは袖のある長着を着ていた。昔からそれは未婚の王女の着る衣装であった。下男は彼女を外に追い出して戸を閉めた。タマルは頭にちりをかけ、身につけていた長袖の服を裂き、手を頭に上げ、泣き叫びながら去った。」
(『旧約聖書 サムエル記 下』)